Askania Kino Anastigmat 28mm f1.8
 

Lens Data

Lens Unit

Lens Photo


発売開始  不明(1940-50年頃?)
1940年のAskania Z 35mm Movie Cameraに装着されていた可能性がある。
マウント:ライカLに改造

Start of sales  around 1940-50?
This lens was attached to Askania Z 35mm Movie Camera at 1940.
Mount : modified into Leica screw.

不明

Lens Impressions

Askania 社は1871年に独ベルリンのLinien通り 185でその産声を上げました。設立したのはCarl Bambergで父親は時計職人でツァイス社を創業したCarl Zeissの弟子であった人物のようです。彼の会社は航海、天文、測地などの分野で精密機器を製造し、卓越した技術革新と信頼できる技術で高い評価を得、、海軍や天文台も顧客でした。
Carl自身は1892年に44歳の若さで亡くなりますが、妻のEmmaとまだ未成年であったPaul Adolf Bambergが事業を引き継ぎます。

第一次世界大戦中、同社は帝国海軍のサプライヤーとして潜水艦のコンパス、距離計、照準装置、さらには映画用のフィルムカメラまで提供しています。

1921年にデッサウのガス会社Central Workshop for Gas Appliances GmbHと合併し、ブランデンブルクとザクセン地方の貴族の名前をとって、Askania WerkeAktiengesellschaftとなりました。
1920年代以降、映画用のカメラ、映写機、ステレオスコープカメラなどの分野で業務を拡大し、1935年には世界初のポータブルショルダーカメラも開発し、1936年のベルリンオリンピックでは競技記録に使用されるとともに、第二次大戦中は戦意高揚のためのニュース映像の記録にも使用されています。
第二次大戦の敗戦と、その後の映画用カメラの競争激化により、一世を風靡したAskaniaの名前は、いつの間にか人々の記憶からは薄れていきます。
1970年代半ば、業績不振からSiemens社に吸収され、現在は旧Carl Zeiss Jena製の顕微鏡のメンテナンスなどを主な業務とするラーテノーのMikroskop Technik Rathenow GmbHにその商標が引き継がれています。 
さらに2006年、Leonhard R. MullerはAskaniaブランドをCarl Bambergの父親からの血脈である時計分野で復活させ、現在も精密な腕時計などを作り続けています。

この28mmレンズはおそらく映画用カメラから取り外されたものと思われますが、他に同様の短焦点レンズを見たことがなく、詳細は不明です。


 Photos with Askania Kino Anastigmat 28mm
 
2020
Test 1
(テスト1)

もともとシネ用と思われるので、35mmフルサイズはカバーせず、APS-Cでも少し欠けます。中心部はシャープでその背景のボケは輪郭も少なく素直です。周辺部ではイメージサークルギリギリになるためか、像面湾曲と思われるぐるぐるしたボケが急速に強くなります。
広角レンズとしては非常に面白い描写と言えますね。

2020
Test 2
(テスト2)

近接では周辺部の像面湾曲の影響はボケの大きさに包含されてしまうので、あまり強い特徴は出ません。シャープな中心部と素直なボケのきれいな描写が楽しめそうです。ただ、被写体が1m離れたら要注意ですね。

 
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